2016年06月27日

SFMOMA




SFMOMA, San Francisco Museum of Modern Art


https://www.sfmoma.org


3年間の沈黙を破り、SFMOMA2016年5月にリオープンした。


展示スペースはほぼ3倍に拡大、10を超えるフロアが息をのむ斬新な世界への扉を開けて待ち受けている。

現代美術の源流となったアメリカンポップアートを初め、ドイツ人コンセプチュアルアーティストのジョセフ•バイズ、アメリカの近代の歴史を語る貴重な写真の数々など、1日ではとてもすべてを鑑賞できない充実したコレクションの宝庫となっている。


建築家マリオ•ボッタが創り上げたSFMOMAの顔とも言えるオリジナルデザインを生かしながら、建築ファームSnøhetta(ノルウェー語でスノーヘタと発音するらしい)によるまったく新しいコンセプトの建築デザインでさらなるパワーアップに成功している。プランはスクラッチ(構想)から完成まで6年かかっている。


http://snohetta.com/project/16-sfmoma-expansion


館内を歩いてみてわかることは、階段と各フロアの行き来に、常に戸惑いにも似た新鮮な驚きが用意されていることだ。うまく計算されているのか、それともパターン化した人の行動癖を軽く破るような仕掛けがあるのか?


写真でもわかるように、見え隠れする世界が連続して、視覚的な驚きと楽しさを絶え間なく提供してくれる。特に、人がおもしろい。人が空間に存在し、気ままに思いがけなく動くことで、静止したアートの空間がよりドラマティックに変化する。この変化自体が、モダンアートとなって、MOMAの存在感を巧みにユニークなものにしているような気がする。


ここでは鑑賞の対象である作品はもちろん、鑑賞者である人そのものがおもしろいことに気がつく。


MOMAで出会う人は、MOMAの一部となることを願いながら鑑賞者として行動する。それぞれがMOMAにふさわしい、おそらく普段より少しおしゃれをした素敵な装いで、純粋に作品との出会いに反応しながら楽しんでいる。

特に、50代以上の人が男女を問わず、美しい。


その年齢に達した人だけが持つ、それぞれのいわば人生の長さが、アートを観る視点の深さにうまく比例しているのではないだろうか?


今まで、どこかで、何かのチャンスで目にふれてきた、あるいは知識で知っていた作品に、息がかかるほどの近さで接する体験に、素直に興奮しているのではないかと思う。

チャック•クロースの有名なポートレートは、学生のころ授業で習った知識としての残影が、目の前に息をのむ迫力で現実となって存在してくれると、思わず、微笑んでしまう。40年前の疑似体験がホンモノとなって迫ってくるからだ。


ここでは写真撮影はもちろん、作品との間に(一部をのぞいて)ロープの囲いすらない。

写真でもわかるように、作品の前に少しだけ高いプラットフォームが設置されている。この高さが微妙に作品と鑑賞者の間に心地よい暗黙の距離感を提供している。


ロープは要らない。撮影禁止のサインも不要。自由に気ままに作品と向き合える。これがSFMOMAの美意識であることはもちろん、モダンアートと人との関係そのものの在り方と関わり方を語っているのではないかと思う。


2度目に訪れたときに、レストランでランチをした。

各国の3つ星クラスのシェフが腕によりをかけて創った創作料理が並ぶメニュー。私たちが選んだのは、パインソルトのバターミルクフライドチキンとトマトとバジルのタルト、セイジ蒸しのブラウニー、静岡のブラックティー。

これがどれも絶品だった。

プレゼンテーションも申し分なく、どこまでも、どこまでもMOMAらしさが貫かれている。


レストラン内の客席のテーブルやいすのアレンジも面白く、ゆったりとしていて、それでいて孤立しない、知らない人とも近すぎず、離れ過ぎず、会話を楽しめる。そのためのいすとテーブルの微妙なサイズとレイアウト。


このあたりの計算は、インテリアデザインや建築のジャンルはもちろん、人が作る出会いやコミュニケーション分野での発想や意図をコンセプトとする新しいジャンルがプラスされて、それらが総合的に呼応することで、空間や小さなコミュニティが創造されているのではないだろうか。


60年代後半、当時、まったく新しいコミュニケーションアートとして一世を風靡したアメリカンポップアートから半世紀、現代を象徴するメディアアートが、さまざまな仕掛けとなって、SFMOMAには用意されている。


そうだ、明日はMOMAへ行こう!

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マリオ•ボッタのオリジナルのシンボル

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奥の人物はジョージ•シーガルの彫像。手前はリアルピープル。プランツの巨大な壁が圧巻の彫刻のパティオ。

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サイ•トンブリ(Cy Ywombly)の50年代の作品。作品の前の床に注目。

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Ellsworth Kelly

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階段がドラマティック。

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3つの異なる次元を同時限に見ることができる。

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大きな造形的な窓

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ロイ•リヒテンシュタイン

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作品も監視の人も。

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リチャード•ロング ここはロープで囲われています。

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窓の周辺に建築中の走り書きがそのまま残されているが、これも作品なのかもしれない。

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チャック•クロースの有名なポートレート。遠くからみるとより写真印刷に近づく。複写と芸術の価値の差を笑う。

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ジョセフ•バイズの部屋。彼が80年代に売り出した『世界一安いアート』を縁があって2点購入し、自分の創作を加えてフレーミングした。

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リチャード•セラ

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鉛を使用しているため、触れないように。下の写真が作品。オリジナルをこの場に再現。パーマネントインスタレーション。

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子供ずれの方のトイレはこちら。

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展示内容のサイン文字

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窓からSFダウンタウンの古い高層ビルが見える。

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最初に出会う作品。1987年ゴールデンゲートブリッジの50歳を記念して50万人の人が橋に押しかけ、身動きできなくなり、鉄骨の橋の鉄がたわんだ有名なイベント。私もこのとき実は橋の上に居た。

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カフェSight Glass。ここで思いがけない出会いを経験。

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バナナと名付けたカラーの自分の作品(ティーポット)がミルクジャーとして使われていた。

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レストラン in situの創作料理のひとつバターミルクフライドチキン&パインソルト ロンドンのシェフ

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ニューヨークシェフによるセージ蒸しのダークチョコレートブラウニー 杉の薄板に包まれている。ティーはMoriucha Koucha,

Shizuoka.

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厨房が垣間見れるレストランの構造 サーブする人のエプロンも非常にユニーク

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外壁のデザインを牽引するマテリアル

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posted by YOKO at 07:00| Comment(0) | topics
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